Article DPI | Dec Group

ドライパウダー吸引技術による
微粉化の役割

2021年の国連気候変動会議 (COP 26) がグラスゴーで幕を閉じたが、世界保健機関の報告によると、世界中で10人中9人が高レベルの大気汚染の影響を受けていると推定されている。

小児期に最もよくみられる慢性疾患である喘息に数百万人が悩まされており毎年約6500万人が慢性閉塞性肺疾患 (COPD) に罹患している。そのうち300万人が死亡、全世界で第3位の死因となっている。

中国情勢

中国について詳しく見てみよう。同国では慢性閉塞性肺疾患 (COPD) が蔓延しており、同国の成人人口の8.6% (約1億人) がこの慢性肺疾患に苦しんでいる。

Global Initiative for Asthmaによると、世界には5億人以上の喘息患者がおり、中国には3000万人以上の喘息患者が存在している。また、毎年4%ずつ増加するという結果になっている。

喘息の治療法は?

ほとんどの喘息治療薬は吸入である。吸入器 (またはネブライザー) を使用することによって、薬を直接肺に入れることができる。また、一部の薬剤には錠剤、点滴、注射剤もある。

A specially designed truck sprays mist to reduce dust in the air in Zhengzhou, Henan province. Yang Zhenghua / China Daily

吸入器

薬を吸入する喘息吸入器には、ネブライザー、定量噴霧式吸入器 (MDI) 、ドライパウダー吸入器 (DPI) 、呼吸作動式吸入器、ソフトミスト吸入器 (SMI) の4種類がある。

ドライパウダー吸入器 (DPI) には、DPI医薬品製品の驚異的な成長に貢献した数多くの独自のメリットがある。様々な吸入可能粉末製剤用の多くのDPIデバイスが、パフォーマンスを向上するために利用されている。

DPIと粉体粒子の微細化

Aerosol Society (aerosol-soc.com) は、乾燥粉末吸入器 (DPI) の吸入性能が、医薬品有効成分 (API) の重要品質属性 (CQA) と密接な関係があることを示す研究を発表した。粒子は通常、気道に到達するために空気の力学的直径の値1-5μmの範囲内にまで小さくする必要がある。これらのサイズは通常、結晶性APIを微細化する際に対象とされている。ジェットミルは広く普及している微細化技術で、空気や窒素を非常に高圧で使用することで微細化を実現している。

APIの粒径に直接影響する2つの最も重要な重要クリティカルプロセスパラメータ (CPP) は、微粉化圧力と供給速度である。今日においては、メーカーは、マイクロナイジングパラメータを直接制御することによって、目標とするDPI吸入性能を達成し得る技術を用いることが不可欠である。

DPI製造業者向けのDecソリューション

従来のジェットミルで高性能を実現することは依然として非常に困難であるため、Dec社はグローバルな製薬パートナーと緊密に協力して、特定の粒度分布 (PSD) 目標を満たす新世代スパイラルジェットミルを開発することを課題としている。

多様な運転パラメータでのミル性能を研究するために実施された計算流体力学モデリングの助けを借りて、大幅な改善が達成された。この取組みには大きな価値があり、新たに特許を取得したスパイラルジェットミルの第4世代MC DecJet®シリーズは、フルチカゾンなどのコルチコステロイドを微粉化しながら、典型的なd 50<2μmの非常にタイトなPSD曲線を維持することができるようになり、累積分布と研究モデルから生産モデルへの優れた拡張性の点において50%の改善を示している。

MC DecJet ®ジェットミルは、非常に細かくコントロール可能なガウス曲線と高い回収率を得ることができます。

これにより、肺の小さな末梢気管の深部まで効果的に薬剤を送り込むことができる。摩擦の少ない挿入具を用いた彫刻付きのチャンバー形式も成功の一部である。

肺疾患やその他の疾患への改善治療法の開発に対する世界的な関心は、非常に高い有効性を持つ医薬品成分 (HPAPI) の使用の大幅な増加につながっている。慢性閉塞性肺疾患については、一般的に高力価の薬品は、低用量でも他の薬品と同等以上の効果が得られる可能性がある。これらの強力な成分は、安全な取り扱い方法と高い封じ込めを確保する上で、危険性とリスクに基づくアプローチが求められる。

微細化チャンバー内のガス注入の計算シミュレーション

非常に強い有効成分を分類する最も一般的な方法は、職業曝露限界に基づいてAPIを分類するコントロールバンディング戦略に基づいている。職業暴露限度 (OEL) は、職場の空気中の活性物質の許容濃度の上限である。そのため、医薬品メーカーは微細化性能だけでなく、封じ込め戦略や高い投与精度に対しても極めて高い要求をしている。

封じ込めに焦点を当てる

Dec社のマイクロナイジングアイソレータは、マイクロナイジングプロセスの周囲を確実に囲い込むことができるため、高濃度の化合物や無菌化合物を封じ込め、オペレーターと製品の両方を防護できるように設計されている。MC DecJet ®のマイクロ化と封じ込めの範囲 (MC DecJet ® 30からMC DecJet ® 400まで) は、微細化と封じ込めのテクノロジーのユーザーおよびプロバイダーとしての長年の経験による完璧な融合体となっている。Decは、取り込まれた粉末の取り扱いから、アイソレータ内での微粉化とマイクロドージングまで、極めて高度且つ複合的に統合された完全に封じ込められたソリューションを提供し、完全な吸入器充填操作を実現している。